1年間のアスレチックトレーナー体験留学を終えて

谷上翔太君


昨年夏からカリフォルニア州立マーセッドカレッジに留学し1年間のアスレチックトレーナー研修をしていた谷上君が5月に研修課程を終えます。留学前、日本で柔道整復師の資格を取得し、3年間接骨院で働いた経験をもっている谷上君は、アメリカでの研修を経て自分自身に新たな可能性を見出したいとアメリカ留学を決意したとのことです。学生アスレチックトレーナー活動と併せて語学研修プログラムや大学での講義での学習も両立させ、留学生優秀賞も受賞しました。

 

以下、谷上君が留学生活を振り返ったインタビューです。


▶ アスレチックトレーナー体験留学を決めた理由。

日本の接骨院で働いていた頃、外国人の患者さんが来院した時に私の英語力ではコミュニケーションがうまく取れず、満足な対応をすることが出来ませんでした。また他の外国人の患者さんから、私たちの接し方とアメリカの医療機関での対処方法は異なるという指摘をもらうこともあり、アメリカのスポーツ現場ではどのようなアプローチをするのか興味を持っていました。アメリカではスポーツ選手とアスレチックトレーナーの立場が同等だということを聞いていたので、そのアメリカで英語を学びながらアスレチックトレーナーの知識を学べば、自分の将来の可能性も広がると思い、アメリカでのアスレチックトレーナー研修留学参加を決意しました。


▶ 留学生活を振り返って。

マーセッドカレッジを留学先に選んだ理由は、学生が学べるアスレチックトレーナープログラムが充実していて、なおかつ温暖な気候の中で年間を通してスポーツ活動が盛んで、私が求めている環境に一番近いと思ったからです。その期待通り、マーセッド市は過ごしやすく、大学のアスレチックトーレナープログラムでも学ぶことが多く充実した生活が送れる環境でした。周りの学生アスレチックトレーナーたちが四年制大学への編入、NATA公認アスレチックトレーナー資格取得を目指して一生懸命勉強をしていたので、私も周りの学生の真剣な姿勢から大きな刺激を受けました。


私が参加した大学内のアスレチックトレーナープログラムで、1番勉強になったことはコミュニケーションの大切さです。選手との距離が近く親近感を持って打ち解けることが出来て、現場では選手との会話が多かったと思います。しかし、トレーナーからの専門知識のアドバイスを聞かない選手に対して、講師トレーナーたちが厳しく接して改善を促している姿は大変勉強になりました。 

大学の講義では、大学講義レベルの内容を英語で理解することに苦労しましたが、毎日が勉強で忙しく充実した日々を過ごすことが出来ました。現地学生と一緒に勉強したことはとても良い経験となり、自分の英語力が伸びていることも感じることが出来て大きな自信となりました。

お世話になったホストファミリーとの生活では、私に対して本当の家族のように接してくれたことに大変感謝しています。生活している中で困った時にすぐに相談に乗ってくれたことは、アメリカでの生活の経験がない私にとって大きな助けとなりました。ホストファミリーのおかげで留学生活1年間を安心して過ごすことが出来たと思います。

▶ 学生スポーツトレーナー活動と勉強の両立

大学では講義についていくことに苦労しましたが、マーセッドカレッジの教授たちのサポート体制が充実しており、私の講義内容の理解を深める手助けをしてくれました。またチュートリアルセンターと呼ばれる学生同士の指導クラスシステムなども利用して課題の確認をしてもらうこともありました。トレーナープログラムに参加している際も英語の壁を感じることが多く、学生たちとコミュニケーションをとるのに必死でした。英語力が徐々に上がるとともに理解力や判断力まで高まり、少しずつ自分が出来ることが増えていったことが自分の学業とトレーナー活動を両立させることが出来た要因ではないかと思います。

▶ 今後の目標

研修課程を終えて日本に帰国してからは、日本の資格取得を目指して勉強に励もうと考えています。そして接骨院を開業することを目標にしています。その為にこれからも人間的に成長して、技術を磨き続ける向上心を持って過ごしていきたいと思います。