中期交換留学 竹村 実佑紀さん


竹村 実佑紀さん

大阪府出身

大阪経済法科大学2年生

経済学専攻

 

カリフォルニア州マーセッドカレッジでは、大阪経済法科大学協定を結び、毎年同校から留学生の受け入れを行っています。大阪経済法科大学の学生は1学期 (約4か月)をマーセッドカレッジで過ごし、現地学生との交流や語学学校授業参加、ホストファミリーとの生活の中でアメリカでの学生生活を経験します。

 


今回は大阪経済法科大学からマーセッドカレッジにやってきた竹村さんから、留学期間中のことについてお話を伺いました。


▶ 留学先としてマーセッドを選んだ理由は?

  (大阪経済法科大学の交換留学制度ではマーセッドカレッジの他に、ロンドン、トロント、ブリスベンなどの大学を選択することができます。)

まず、学費や滞在費が安いことです。日本の大学も、日本学生支援機構から月々10万円の有利子奨学金を借りて学校に通っています。私の下に高校3年生の妹と中学1年生の弟がいるので、「大学に行きたいのならば、すべて自分で出してね。」と言われています。だから、学校に関する費用は、両親からは一切出してもらっていません。でも、今回の留学の授業料や渡航費は貯めることができなかったので、祖母に利子を付けて貸してもらいました。ちなみに、滞在費は30万円ほど貯めることができました。なのでお金がなくても、機会を与えてくれるマーセッドを選びました。

次に、マーセッドに通っていた先輩方からや国際部からの評判が高かったことです。私の前に留学に来ていた先輩が、「マーセッドは何にもないところだけど、勉強は集中してできるところやで。ホリデーになったら、サンフランシスコとかロサンゼルスに行けるし。」と言っていました。国際部の先生からも 「マーセッドは勉強できるところ。だから、行った方がいい。」と聞いて、絶対にここに来ると決めていました。

大阪経済法科大学からやってきた他の留学生と共に


▶ 実際にマーセッドに来てみて、どう思いましたか?

正直に言って、想像していた以上に田舎でびっくりしました。都会の方にしか住んだことがなかったので、街灯の少なさ、人がまったく歩いていない、何にもない土地がある、すべてにおいてカルチャーショックでした。あと、遊ぶところの少なさにも驚きました。大学の近くだから、少しぐらい遊ぶところがあると思っていたのですが、車やAmtrakを使わなければ行けない距離にしかないのがショックでした。だけど、勉強が集中してできるので、その環境で良かったと思い ます。

あと、ヒスパニックの多さにも少し驚きました。アメリカは多民族国家でヒスパニックが多いことは知っていましたが、想像を超えていました。街中の看板にはスペイン語表記はもちろん、大学内を見渡せばヒスパニックは1人は必ず見かけることができました。留学も落ち着いてきた時に、「ここにヒスパニック多すぎだろ。」 と友達と話してしまったこともありました。

▶ アメリカ留学を通して変わったと思うこと、成長したと思う事はありますか?

精神的に成長できたことです。本当の留学生活の目標は、英語能力を上げることでした。そのためには日本人だけで固まっていては成長することはできないので、それをいち早く気づくことをしなければいけません。この事を留学生活の最後にでも気が付くことができたことは、成長できた部分だと思います。他にも、自分自身への甘え、何かを挑戦することへの恐怖、積極的に行動すること、間違うことへの恥ずかしさの克服、挙げると切りがなくなります。今まで心のどこかでは気がついていたものを、それをどこか、自覚できない自分がいました。これを自覚できたのが、自分の中での大きな成長だと思っています。肝心な英語については、上手くなったとは言えません。それでも間違っている英語でも伝えることのできる勇気は持つことはできました。

▶ 留学中、大変だったことや苦労したことはどんなことですか?

語学学校の先生と共に

1つ目は、風邪を2回引いて、自転車から落ちて両足擦りむいて、頭を打ったことです。その間は、体の自由が利かなかったので勉強も身に入らなく、家にすぐに帰って寝ていました。その時間は無駄な時間を過ごしていたと思います。

2つ目は、自転車を盗まれたことです。元々、同じホームステイ先に住んでいた日本人の子に貰ったものだったのですが、何回も何回も修理して乗っていたものなので愛着があったものでした。ある日、Merced Mallに2時間ほどで自転車を止めていたのですが、見事にすっぱりと鍵が切られていました。一緒にいた友達には、「大丈夫。大丈夫。」と言っていたのですが、けっこう精神的に大きなダメージを受けました。


3つ目は、サンフランシスコに遊びに行った時、帰りのAmtrakを乗り過ごしたことです。友達と旅行に行っていたのですが、路面電車が混んでいたり、地下鉄が遅かったりとハプニングの連続でした。Amtrakの最終便で帰る予定だったので、それを乗り過ごしたことによって、みんなパニック状態になっていました。このまま、 駅構内で泊まるか、どこか宿を見つけるか、タクシーで帰るか、誰かを呼ぶか。色々な案が出ていた中で、自分達が出した結論は、バークレーで1泊してから朝一のAmtrakで帰ることでした。最終的には、みんな無事に帰ることができ、これがいい経験になったと思います。

▶ マーセッドカレッジの語学学校の授業はどのような様子ですか?

授業は3人の先生がGrammar、Reading、Writingと分かれて授業を行っていました。一番面白かったのは、Writingの授業です。この授業で、英語のパソコンの課題のフォームを学ぶことができました。日本の大学に通っているので、間に空白の欄をいれたりと、少し違っているところがあったりして興味深かったです。そのようなアメリカの大学生活で役立つような授業があれば、MCELI(語学学校)の子たちがCollegeに入った時にスムーズに授業に参加できると思いました。現在のTOEFLの授業と併用してあったら、おもしろいと思います。

 ホームステイでの生活はいかがでしたか?

ホームステイ先の人は親切でいい人でした。最初は、日本オタクの変な髪の色をしたホストブラザーとちょっと怖そうなホストマザーと猫がいる猫屋敷で最悪だと思っていました。さらに、シャワーもシャワーカーテンもなく、蛇口だけのお風呂でした。最初の方、だんだんと窶れていっていて、友達に心配されるほどでした。だけど、慣れていったら居心地のいい空間になっていきました。夜遅くに帰ったら、「お帰り。遅かったね。」と心配してもらったりしました。今回のサンディエゴに1人旅に行くと言った時も、心配してくれたり、ピックアップしてもらったり、すごくお世話になっています。すごく、良いホストファミリーに出会えたと思います。

▶ 将来の目標を教えてください。

将来のなりたい職業については決まっていません。だけど、日本に帰ったら英語の勉強を続けつつ、社会科学の勉強をしたいと思います。英語については、今回の留学生活で自分の中で納得できるものができなかったので、もっと勉強したいと思います。社会科学については、2年生になってから、大阪経済法科大学の社会科学を研究するペイ先生に本格的に師事するようになりました。まだまだ学ぶことがたくさんあるので、それを吸収していきたいです。


勉強に関することではないのですが、アメリカにまた旅行に来たいと思っています。今回の冬休み中にワシントンD.Cに行きたかったのですが、時間の都合と予算と他にもやりたい事があったので、今の自分には行けません。なので、来年の夏か冬に戻ってきて、L.AからAmtrakを使って南ルートからワシントン D.C、ニューヨーク、フィラデルフィア、ボストン、トロント、シカゴ、と回って中央ルートを使って帰ってくることをしたいと思っています。もし、お金が貯められなくても、どこかには旅に行こうと思います。

▶ これからアメリカ留学を目指す学生へ、アドバイスなどあれば教えてください。

留学に関するいろいろな不安や心配があると思います。その感情を抱く場所は、きっとあなたを強くしてくれる場所だと思います。グーグル検索に載ってないようなやってみないと、行ってみないと分からないことがたくさんあります。だから、挑戦してみてください。