アスレチックトレーナー留学


アメリカでアスレチックトレーナーとして活躍 谷澤順子氏 インタビュー

谷澤順子氏はテキサス州立大学アスレチックトレーナー学科プログラム終了後、2004年に全米アスレチックトレーナー協会の公認資格ATC (Athletic Trainers Certificate) を取得。

アメリカ代表チームのメディカルスタッフの一員として、世界陸上、世界ジュニアなどの大会に同行し、選手のケア、ケガのリハビリなどアスリートのサポートにあたる。

 

現在、スポーツの名門校としても全米で有名なアリゾナ州立大学の陸上部の選手たちのサポートを担当するアスレチックトレーナー。


谷澤氏のお父様は元中日ドラゴンズのプロ野球解説者・谷澤健一氏。

 

通算2,062安打、2度の首位打者タイトルなど、17年間の輝かしい実績とともに、アキレス腱の故障からの復活など、大きな故障とも闘った名選手。

父・谷澤健一氏



アスレチックトレーナーになる決意をした背景について

父が中日ドラゴンズで現役選手としてプレーしている頃に、毎日、体を入念にケアして治療にも通っている姿を私は小さい時からよく見てきました。

私自身も小学生の頃から器械体操、クラシックバレエ、新体操を続けていたのですが、ケガや故障が多かった私に父は『トップアスリートは自分の体を自分でケアできるものだ』と、テーピングやキネシオテープの施術方法や、父のアキレス腱痛を救った酒マッサージの方法など、普段から体をケアする方法を教えてくれていました。

小さな頃から自分でケガや故障と向き合って自分で体のケアをするなかで、自然とアスリートの体のケアやマッサージにも興味を持つようになったのだと思います。

 

当時、日本にはまだアスレチックトレーナーになるための学校やプログラムが充実していなかったのですが、アメリカに行けば専門的に学べると知り、アメリカに渡ってアスレチックトレーナーとしてアスリートをサポートしようと思ったのがきっかけです。

アスレチックトレーナー資格取得を目指したアメリカ留学生活について

アメリカに留学して大学付属語学学校のプログラムに参加して英語のスキルを上げてから、テキサス州立大学で3年間、アスレチックトレーニング学科のプログラムで学びました。

そして2004年に全米アスレチックトレーナー協会NATAの認定アスレチックトレーナー資格であるATC (Athletic Trainers Certification) を取得しました。 

 

日本の大学を卒業してからアメリカに渡り、そこから英語をマスターするのがとても大変でしたね。

ただ、アスレチックトレーナーとしてアスリートをサポートするんだという明確な目標があったので、どんな時も諦めないで勉強に取り組めました。

テキサス州立大学でのアスレチックトレーニング学科では学ぶ内容が興味のあることばかりで、勉強はさらに大変になってとても忙しい留学生活だったのですが、学ぶこと自体がすごく楽しかったです。

トレーナー資格取得後のアスレチックトレーナー活動について

アメリカ代表チームのメディカルスタッフ・メンバーと一緒に(前列右から3番目が谷澤順子氏)
アメリカ代表チームのメディカルスタッフ・メンバーと一緒に(前列右から3番目が谷澤順子氏)

アスレチックトレーナー資格ATCを取得してすぐに、私の恩師でもあるテキサス州立大学アスレチックトレーニング学科のジャック・ランソン教授に推薦してもらって、アメリカ代表チームのアスレチックトレーナーとして2004年に開催された千葉国際駅伝に同行するチャンスをもらいました。

それからアメリカ代表チームのメディカルスタッフ・メンバーとして世界陸上や世界ジュニア、ユニバーシアードなどの国際大会に帯同して、各大会の現地でアメリカ代表チームの選手たちのケガの予防、ケア、リハビリなどにもあたっています。

オリンピックに出場するアメリカ代表チームに同行してオリンピックでアスリートのサポートをすること、これが私の次の目標です。

今はアリゾナ州立大学の陸上部のアスレチックトレーナーとして学生選手たちをサポートしています。


ケガで悩んでいるアスリートのサポートをしている時や、その選手がケガから復帰して試合で結果を残せた時にアスレチックトレーナーとしてのやりがいを強く感じます。
また現役を終えても治療を続けている父のサポートができることもアスレチックトレーナーになって良かったと感じることですね。

 

(2014年8月)